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ノルウェー出身、二人組のエレクトロ・ユニット。1st「Melody A.M.」が全世界で100万枚の売上を記録し、たちまち注目を集める。いまや、北欧やクラブミュージックを代表する存在。

Discography

2001
Melody A.M. 1st
2005
The Understanding 2nd
2009
Junior 3rd
2010
Senior 4th
The Understanding
1.Triumphant
2.Only This Moment
3.49 Percent
4.Sombre Detune
5.Follow My Ruin
6.
Beautiful Day Without You
7.What Else Is There?
8.Circuit Breaker
9.Alpha Male
10.Someone Like Me
11.Dead To The World
12.Tristesse Globale
05年発表
 Royksoppの2ndアルバム。全ての人が同じ解釈をする音楽なんてあるのか、それとも音楽とは聴く人の解釈によってクリエイトされるものなのか。そういった彼らの疑問が、タイトルとして投げかけられているという本作。ヴォーカルが組み込まれたキャッチーな作りと、冷ややかで透明感のあるエレクトロサウンド。そして強いビート・パーカッションに胸躍るクラブサウンド。これらの対比が絶妙で、万人の音楽ファンがRoyksoppに興味をそそられるというのもうなずける。

 本作では個性的なゲスト・ヴォーカルを数人招き、曲の至る所でその美しいヴォーカルを披露する。前作以上にヴォーカル・トラックの魅力を重視した内容だと思われ、冷たい質感のサウンドにクールな歌声が溶け込んでいく楽曲の数々には、心地よさを覚えずにはいられない。中でも#2「Only This Moment」が素晴らしく、夜空を見上げて宇宙に想いを馳せるかのような、壮大で輝かしいトラック。他にも、ズッシリと重たいビートとベースがとてもカッコイイ#5「Follow My Ruin」、映画のハイライトのような大曲#9「Alpha Male」など、幅広いリスナーのツボをおさえたカラフルな楽曲の数々は魅力満載だ。

 情緒的で冷ややかなメロディ&ヴォーカルと、熱いクラブサウンドとの組み合わせ。さらにインストにこだわらずヴォーカルを積極的に乗せてポップに仕上げる手法・・・。まさに北欧アーティストのセンスが最大限に活かされたサウンドだと思った。また、本作を聴けば、彼らが一つの型にハマるつもりは無いことも感じることが出来るはずだ。今後の作品に大いに期待を抱かせることにもなった、前作からの躍進を感じさせる一枚。