2011年 Best Album
2011年リリースの作品でよかったものを選出していきます。
「Colour Trip」 Ringo Deathstarr
|
「Two Girls」を聴いていただければわかりますが、シューゲイザーに則った素晴らしいギターノイズを堪能できます。本作はドラムやベースの迫力も圧倒的だし、ひねくれた曲展開もなく、非常に聴きやすい作品です。暴力的とも言える演奏と甘〜い歌声の組み合わせ。シューゲイザー好きとして、とても興奮させてもらいました。個人的にこの作品が2011年のベストです。 |
「Emeralds」 Robin Guthrie
|
この人に関しては、もはやギターの弦を適当に弾くだけでも良い気がしてきます。それ程に出来上がりすぎた荘厳なギターの音色。これはCocteau Twins時代から既に完成されていました。以降、スタイルをほとんど変えることなく、本作でも期待通りのサウンドを披露しています。背後にシューゲイザーを意識したようなノイズを漂わせながら、相変わらずリヴァーヴを深くきかせて、ひたすら天上界のサウンドを構築しています。 |
「15 Doors」 moumoon
|
「Sunshine Girl」のような、あどけなくて可愛らしいポップアルバムと踏んで聴いてみたのですが、その期待とは裏腹にとても大人びた歌声を披露しています。・・・これにはとても驚きました。楽曲も、フワフワした心地良いものばかりではなく、訴えかけてくるようなシリアスな曲も多いので、本当にあの「Chu Chu」を作ったユニット?と疑ってしまうほどでした。2012年の新作にも期待が高まります。 |
「Velociraptor!」 KASABIAN
|
彼らの集大成と言っても過言ではない、KASABIANの安定感と余裕を見せつけた作品。ダークなダンスロックの1st、キャッチーなアンセムを多く持つ2nd、サイケで深みが増した3rdの要素を、本作はすべて備えているように感じました。作風を変えつつも評価されてきた過去の作品により、自分たちが作り上げるものに絶対的な自信がついたという彼ら。もはや向かうところ敵なしといった貫禄。「Switchblade Smiles」は何回聴いただろう・・・。 |
「ex Negoto」 ねごと
|
男性バンド顔負けの力強い演奏で、有り余った元気を分けてもらえるような、気分爽快なねごとの傑作。このアルバム、個人的にとても気に入ってます。シンセの音も可愛らしく、ガールズバンドの魅力と若手のフレッシュさが詰め込まれているように思います。 |
「Verdugo Hills」 Caroline
|
Mice Pradeのヴォーカリストによるソロ二作目。洗練されたエレクトロサウンドに、舌足らずのヴォーカルが乗っかり、とても心地良いサウンドが出来上がっています。すべての音が可愛らしく、聴いていて思わず頬が緩みます。 |
「Colour Of The Trap」 Miles Kane
|
Arctic Monkeysのアレックスと共にLast Shadow Puppetsというバンドを組んでいたことでも知られる、Kiles Kaneのソロデビュー作。黒いスーツを身にまとい、クラシカルなガレージロックを披露しており、とても渋いです。オーディエンスを意識したノリノリの楽曲の数々に、テンションが上がるアルバムです。中でも「Inhaler」はたまりません。アクモンが好きな方にはオススメの作品。 |
「Hardcore Will Never Die, But You Will」 Mogwai
|
まずジャケットの素晴らしさに惹かれて購入した作品で、こんな風景をイメージできるような内容だったら最高だなあと思ったら、まさにそんな感じでした。言うならば、ぼんやりと窓を眺めながら、一日が終わっていくことを憂うかのような世界観。とても落ち着きのある作品です。 轟音とのコントラストも自然で、風景画のような作品とも言えます。 |
特に気に入った作品を順不同で並べてみました。
その中で選んだ今年のベストアルバムは、既に書いたように
RIngo Deathstarrの新作。音の迫力が半端じゃなく、ギターのノイズも自分好みで、本当に一時期はまりました。あとは、意外な掘り出し物だった
moumoon、新作をきっかけに全部の作品を集めてしまった
KASABIANなどなど、今年も自分なりに音楽を楽しむことが出来たと思います。
上記の作品以外に良かったのは、傑作と評判の
M83の「Hurry Up, We're Dreaming」、今年メジャーデビューを果たした新規新鋭のロックバンド
N'夙川BOYSの「PLANET MAGIC」、安定したインディポップを披露してくれた
Death Cab for Cutieの「Code and Keys」などなど。そういえば
Arctic Monkeysも新作をきっかけにハマったなあ。
サカナクションの新作も良かったですね。前作よりも気に入りました。
…これは余談ですが、ついにうちのテレビでMTVなどの音楽チャンネルが見られるようになりました!
おかげで2011年は広く浅くですが、いろんな音楽に触れることが出来ました。今まではサイトや雑誌で興味のある音楽を見つけては自主的に視聴してましたが、音楽チャンネルはどんどん音楽が流れてくるのでとても新鮮でした。お陰で予期せぬ名曲に出会ったりなど、新たな発見の連続で、音楽生活がとても鮮やかなものになった気がします(おおげさ?)。
旧作 Album Best
新作ではありませんが、2011年に個人的によく聴いていた作品をまとめました。
「Everything, Everything」 Underworld (00年)
言わずと知れた、Underworldの名ライブアルバム。このアルバムに納められているライブ音源はすべて、オリジナル楽曲を軽く超えてしまっています。
高評価も納得の、神がかった作品。
「Road Eyes」 Amusement Parks on Fire (10年)
「Out of the Angeles」を超えたんじゃないでしょうか。本作こそ現時点での最高傑作だと感じています。
「Walking Wounded」 Everything But the Girl (96年)
EBTGが最もエレクトロ路線に傾倒していた時の作品であり、傑作。なぜ評価が低いのか分かりません。
「Mirrors」 フルカワミキ (06年)
元SUSPERCARの紅一点ベーシストのソロデビュー作。後期SUPERCARで印象的だった電子音がフィーチャーされ、フルカワミキのロリっぽい歌声との組み合わせは絶品。
「Untouched」 Secret Shine (93年)
他のどのシューゲイザーバンドよりもシューゲイザーしています。NARASAKIが気に入っているのもうなずける素晴らしいバンドです。
曲数は少ないですが、
センス抜群。
「Dirty Words」 The Departure (05年)
ポスト・パンクとしてデビュー前から注目を浴びていたバンドで、本作は満を持してリリースされた1stアルバム。その妖しいサウンドはまるで、車のヘッドライトが暗闇を切り裂くかのよう。
「Behind the Sun」 Chicane (00年)
クラブ系のアーティストですが、全然激しくなく、チルアウト系の落ち着いたサウンドが構築されています。こういう電子音楽を探していた、と手放しで絶賛したくなる名作。
「HEART STATION」 宇多田ヒカル (08年)
作品を出すごとに貫禄をつけていく彼女。現時点での最新作だが、非常に完成度が高い。
「I am...」 浜崎あゆみ (02年)
個人的にこの時期の浜崎あゆみが好きでした。Endless Sorrowは名曲です。
「Licensed to Ill」 Beastie Boys (86年)
白人のヒップホップの草分け的存在であり、ヒップホップとロックの架け橋ともなったバンド。未だに強い影響力を持つ名盤です。2011年の新作をきっかけに聴くようになりました。
終りに…
遅ばせながら、2011年の音楽生活をまとめることが出来ました。今年もジャンルを固定せず、聴きたいもの聴くというスタイルで、いろんな作品に触れることが出来ました。しかしながら聴いた作品以上に、聴けずに棚に納められた作品もあり、年を重ねる毎に順調に未聴の作品が棚に増えています(笑)。いまや昔のように、一枚を愛でるようにずっと聴いたり、一組のアーティストに心奪われることも少なくなりました。それほど聴きたい作品がたくさんあった、ということなんですけれども。
今年はなんとも大物アーティストのリリースが多い一年でしたね。
Radioheadを初め、元Oasisのノエル(
Noel Gallagher's High Flying Birds)とリアム(
Beady Eye)の個々の活動、
Red Hot Chili Peppers、
Foo Fighters、
R.E.M.、
Arctic monkeys、
KASABIAN、
The Strokes、
Coldplay、
Bjork、
Lady Gagaまで。中でも
Arctic Monkeysと
KASABIANに今年はハマったわけですが、これからも新作をきっかけにバンドの作品を掘り下げるようにして音楽を聴いていこうかなーなんて思ってます。
2012年は始まり、今年も続々と新しい作品がリリース予定です。皆さんが素晴らしい音楽に出会えますように・・・。そして私も素晴らしい音楽を探し続けます。あとは、更新ペースをもっとあげられるようにしたいですね(笑)。最近はネットにあまり出没しなくなった私ですが、本年もどうかよろしくお願いします!