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90年代のシューゲイザームーブメントの一端を担ったとされるバンド。激しいノイズの渦のようなギターサウンドと男女ヴォーカルが特徴で、小細工少なめの王道シューゲイザーを披露していたバンドである。

93年に1stを発表して活動も軌道に乗ると思われたが、96年に解散。しかしバンドは10年の時を経て06年に奇跡の復活。08年には15年ぶりとなった、新作オリジナルアルバムをリリースするに至った。

Discography

1993
Untouched 1st
2004
After Years best
2008
All of the Stars 2nd

All of the Stars
All of the Stars
Main Disc (Disc 1)
1.Voice of the Sea
2.Know
3.Stars in the Sky
4.Cafe Crash
5.Another Day
6.Hate You When You Smile
7.All That's Left
8.Oblivion
9.Last Leaves
10.The Sound of Light
Bonus Disc (Disc 2)
1.You Are Inside
2.Adored
3.Evermore
4.Lost Memory
5.Hit the Ground
6.Beyond Sea and Sky
08年発表
Secret Shineの2ndアルバム。96年に解散したものの06年に再結成。10年の時を埋めるような作業だったかもしれない、オリジナルアルバム制作。実に15年ぶりの最新作である。作品が出ただけでも驚きだが、サウンドの方向性も全くブレていないのもさすが。1stが入手困難な現在、本作のみ聴いても十分彼らの本質を知ることができるだろう。

脳内から溢れんばかりに掻き鳴らされるノイズギターの迫力に圧倒されがちだが、そこに電子音が積極的に取り入れられているのが面白い。まるで時代の流れに追いつこうとしているかのようで良い感じ。特にD1@は、ピコピコなる電子音が可愛らしい。そしてそのD1@とそれに続くABの三曲は、流れが実に素晴らしく、個人的にこればかりに耳を傾けがちになってしまう。そのため他の曲が霞んでしまいそうになるほど。Aの情緒的すぎる男女ヴォーカルや、冒頭から轟音で畳みかけるBなど、いずれもシューゲイザー好きのつぼを押さえている。美しく心地よく、そして荒々しい…。この三曲がアルバムの魅力をほとんど押さえているような気がしてならない。

以降もメロディアスで煌びやかな曲が続く。いずれも隙間を埋めるような重層なサウンドとそれを支える綺麗な男女ツインヴォーカルと電子音が心地よい。ただ残念なのは、曲の展開に乏しいような感じがすること。マイブラのように演奏が延々と聴かせるわけでもないため、何だか物足りなさを感じた。一曲一曲もっと練りあげて作ったらきっと今以上に素晴らしかったに違いないと思った作品だった。因みに国内版にはボーナスCDがついており、六曲のボーナストラックが収録されている。その中でもAは必聴です。