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80年代のインディーズシーンで大きな勢力を誇っていたレーベル、4ADからデビューを果たしたPale Saints

ノイジーとメロディアスの狭間を行き来するギターと、疾走感溢れるドラミングが圧巻で、そこに乗っかる甘いヴォーカルとコーラスが非常に心地よいバンドです。そんな彼等のサウンドはシューゲイザーと呼ばれ、ジャンルの代表格して語り継がれています。それにしても、軽めの渇いたサウンドや、シンプルな演奏をするこのバンドは、このジャンルの中では少々異質な気がします。

90年に1stアルバム「The Comfort Madness」を発表し、早くもシーンのアイコン的存在に。その後「In Ribbons」を制作後、バンドの中心人物であるイアン・マスターズ(Vo/B)が脱退。最終作となった3rdアルバムでは、見違えるほどにメンバーとサウンドが変わっていきました。

Discography

1990
The Comforts of Madness~狂気のやすらぎ 1st
1992
In Ribbons 2nd
1994
Slow Buildings 3rd

The Comforts of Madness -狂気のやすらぎ-
The Comforts of Madness
1.Way the World Is
2.You Tear the World in Two
3.Sea of Sound
4.True Coming Dream
5.Little Hammer
6.Insubstantial
7.Deep Sleep for Steven
8.Language of Flowers
9.Fell from the Sun
10.Sight of You
11.Time Thief
90年発表
Pale Saintsのデビューアルバム。イギリスの有名なインディレーベル4ADからデビューし、瞬く間に話題をかっさらった作品であるとともに、Pale Saintsの代表作。荒々しさと美しさが組み合わさった、まさに「狂気とやすらぎ」といえる内容。バックのサウンドが荒々しさを表現し、女性勝りの美声を放つイアンのヴォーカルがコーラスを交えて甘〜く歌い、心地よさを表現している。特にギターはエコーが掛かった耽美なサウンドを出しつつ、ノイジーにかき鳴らしたりもしており、変芸自在にサウンドの顔を変える。

この作品で異色な曲が心地よさを際立たせたミドルナンバーBで、大海原を静かに漂っているかの如く、である。その次に続くのが2分弱で一気に疾走していくCで、個人的にこのアルバムで一番好きな楽曲。Jは狂気が前面に出てきた名曲で、怪しい雰囲気に激しい転調、攻撃的な演奏を聴くと良く分かる。

荒々しいノイズや演奏に絡んでくる繊細なメロディと甘いヴォーカルを聴けば、「狂気のやすらぎ」というタイトルがいかに的を射ているかがわかる。正反対の音楽性を見事に組み合わせ、狂気を心地よいサウンドとともに表現した至高の作品。
In Ribbons
In Ribbons
1.Throwing Back the Apple
2.Ordeal
3.Thread of Light
4.Shell
5.There Is No Day
6.Hunted
7.Blue Flower
8.Hair Shoes
9.Babymaker
10.Liquid
11.Neverending Night
12.Featherframe
13.Thousand Stars Burst Open
92年発表
Pale Saintsの2ndアルバム。デビュー作である前作が大きく参賞されたことで、UKのアンダーグラウンドシーンはますます盛り上がりを見せたに違いない。その証拠に、その後シューゲイザー系のドリームポップバンドによるブームが突如として訪れ、このバンドも時代の寵児となっていった。そして、そんな境遇に置かれたことでなお進化するペイルセインツのサウンド。バンドは時代の流れに沿って音楽性を大きく飛躍させていった。

ラッシュに参加していたメリエル(Vo/G)が正式メンバーとして加入したことによる女性ヴォーカルの導入、マイブラ経由の粒の粗いノイズ。本作での大きな特徴はこの二つで、これらと前作のペイルセインツと比較すると随分サウンドの印象が変わっている。なんといっても、炭酸のはじけるように心地よいギターノイズがこうも大胆に鳴らされているのは意外だった。前作ではありえなかったアプローチだったと思う。他にも轟音に加え、様々な楽器の音色も忍ばせて表現力が飛躍的に向上したことも伺える。しかし流麗なギターサウンドが極端にに薄味になったわけではないし、メリエルだけがマイクを支配しているわけでもない。前作の統一感のあるサウンドの安定感の上に新たなサウンドが築かれ、バンドの可能性が押し広げられている。

代表曲は疾走感溢れる@とHで、両方ともバックのメリエルのコーラスがとても心地よく、何とも神々しい。それら以外はミドルテンポの楽曲が多く、繊細な音色を丁寧に扱う演奏がとても耳に優しい。炭酸ノイズの気持ち良さは、彼らだから出すことができる。残念ながらセールスは伴わなかった本作だが、(タイプは違うが)前作とタメをはれる名作。お勧め。