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竹内里恵(Vo/G)を中心に活動を続けるインディー・ロックバンド。現在の正式メンバーは彼女ひとりだが、ライブやレコーディングでは様々なミュージシャンがサポートメンバーとして参加している。

ノイジーで甲高いギターサウンドが際立つオルタナティブロックバンドだが、甘酸っぱいサウンドやウィスパーヴォイスがこのバンドを印象づけているためか、シューゲイザーのくくりで語られることが多い。彼女自身、影響されたバンドにPale Saintsを挙げていることもあり、今では国内のシューゲイザーシーンの代表格となりつつある。

Discography

1996
VIVID SHORT TRIP 1st
1997
Waiting for the Summer 2nd
1998
Sugarcoated 3rd
1999
luminous orange super plastic mini
2002
Drop You Vivid Colours 4th
2007
Sakura Swirl 5th
Sugarcoated
Sugarcoated
1.Tears of Honey
2.Language of the Wind
3.Starquake
4.Puppy Dog Mail
5.Sugarcoated
6.Another Sick New World
7.Chelsea Girl(cover of Ride's song)
8.Honey Eyes
9.Heather Scent the Air
10.Classified
98年発表
Luminous Orangeの3rdアルバム。心地よいメロディを奏で、囁くような甘いヴォーカルで包みこむのかと思いきや、その先にはノイズのようなギターが待ち構える。ギターノイズの粗さから伺えるように、メロディ重視して作られてきた以前までの作品と比べると、ロックテイストの強い作品となっている。ポストロックバンドのように複雑かつ大胆に曲展開をする様は実験的とはいえ、このバンドの魅力の一つとなっているようだ。

本作を何かに喩えるならば、まるで眠たい目をこすりながら外に出かける準備をしている雰囲気、だろうか。それでいて曲の流れを大きく変える曲展開がインパクト大。@は窓から光が差し込むような穏やかなメロディが辺りを覆っているが、突然目が覚めるような粒の粗いギターサウンドが押し寄せ、たちまち空気が一変する。この曲に限らず、他の楽曲も場面転換のようにノイズギターが現れたり、辺りを漂うように終始鳴り渡っている楽曲もある。Fはシューゲイザーバンド、Rideの名曲のカバー。アルバムの雰囲気にあわせ、暖かみのある優しい空気を漂わせるカバーとなっている。他にも、夏の夕暮れの音?をサンプリングし、それをバックにアコギで弾き語るHは異色だが、自然の空気を吸い込んだ雰囲気が清らかさを作り出す。

ロックバンドとしての片鱗が本作を機に見えはじめ、次作でより力のあるサウンドを披露したこともあり、バンドとしては大きなターニングポイントとなった作品といえよう。ロックテイストが強まったとは言え、シューゲイザー譲りのギターサウンドや、ヴォーカルのウィスパーヴォイスは終始心地よくさせてくれる。住宅街、または木造の別荘で、穏やかな一日を過ごしているかのような一枚。
Drop You Vivid Colours
Drop You Vivid Colours
1.Drop You Vivid Colours
2.How High
3.The Sky
4.Turbo R
5.Give a Hint
6.Utatane no Hibi (l'ecume des jours)
7.Starred Leaf
8.Mother Pearl
9.Sun Ray
10.Rusty Wheel
02年発表
Luminous Orangeの4thアルバム。バンド内で様々なトラブルが頻発したということで、前作からやや月日が経過してのリリースとなった今作。この作品では元ナンバーガールのアヒトイナザワと中尾 憲太郎をサポートメンバーとして迎えてレコーディングされている。

以前までの作品と比べ、サウンドの力強さとスピード感がグッと増しており、ロック色が強くなったことを感じさせる。キリキリと唸るカラフルなギターノイズと脱力的なヴォーカル、さらには高度なテクニックを披露するドラム音などが、畳みかけるようにして耳に飛び込んでくる。不規則に並べられたようなそれぞれのメロディを紡ぎ合わせ、抜けの良いサウンドに仕上げている辺りは、センスの良さを感じるところ。この色彩豊かなバンドサウンドを「ペンキを壁にぶちまけたようなサウンド」と誰かが仰っていたが、まさにそんな感じを想像してもらって良い。外の暖かい日の光に照らされ、草むらを走り回っている様をイメージさせる、高揚感に満ちたアルバムである。

聴き始めた当初、Sonic Youthに似てるなー、という印象を強く持っていた。特にBC辺りは、ノイズの用い方や音の持っていき方がほんとに似ていると個人的には思う。しかしこの色彩豊かなアルバム内においてそれは、バンドの表現の幅を広げたことを証明してくれる重要な要素となっているのは間違いない。ざらっとした質感のギターサウンドを掻き鳴らし、甲高く唸らせ、テクニカルなリズム隊とともに突っ走るこの作品は、刺激的なギターロックをお探しの方にはぜひ聴いてもらいたい作品。