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93年にレコードデビューを果たし、その後一気に90年代を駆け抜けた邦楽を代表するロックバンド。
ドラマーの不祥事や、個々のソロのために活動休止などもあったが、常に人気を不動のものにしている。個人的にバンドの魅力はつかみどころのない妖艶で廃退的な世界観と個々の音楽センス。その独特の音楽性が多くのファンを虜にしているのだと思う。

余談ですが、私が音楽を貪るように聴くようになったきっかけのバンドです。HYDEのヴォーカルと世界観にやられ、聴きまくってた印象があります。個人的に邦楽のバンドでは彼らが一番好きです。

Discography

1993
DUNE 1st
1994
Tierra 2nd
1995
heavenly 3rd
1996
True 4th
1998
HEART 5th
1999
ark 6th
1999
ray 7th
2000
REAL 8th
2004
SMILE 9th
2005
AWAKE 10th
2007
KISS 11th
True
True
1.Fare Well
2.Caress of Venus
3.Round and Round
4.Flower
5.Good-Morning Hide
6.The Fourth Avenue Cafe
7.Lies and Truth (True Mix)
8.風にきえないで (True Mix)
9.I Wish
10.Dearest Love
96年発表
 通算4作目のアルバム。ドラマーsakuraが参加した最後の作品。トラックをご覧の通り、未だに根強い人気がある#4「Flower」を筆頭にみんなが大好きな初期の名曲がずらり。ライブの定番曲#2「Caress of Venus」と#3「Round and Round」、sakuraの不祥事によりお蔵入りとなったシングル#6「The Fourth Avenue Cafe」など、どれも見逃せない。

 この作品からL'Arc〜en〜Cielは音楽シーンで徐々に頭角を現していくことになる。様々なポップスセンスを一枚に凝縮した名作。
HEART
HEART
1.LORELEY
2.winter fall
3.Singin'in the Rain
4.Shout at the Devil
5.虹(Album Version)
6.birth!
7.Promised land
8.fate
9.milky way
10.あなた
98年発表
 sakura脱退に伴い、新たにyukihiroをドラマーに迎え、満を持して発表されたアルバム。#1「LORELEY」を聴けばよくわかるが、とても壮大で、切なくて、純粋。この作品にはひねくれた楽曲が無い。そういう意味ではラルクの作品の中では特に異彩を放っている。やたら激しい曲もなく、見事にアルバムの世界観が統一されている。 復活後最初に発表した#5「虹」は、悲しげに熱唱するサビが印象的な名曲。

 メンバーの不情事によるブランクが影響しているのは間違いないと思うが、そういう背景を考えながら聴くと、それぞれの楽曲がメンバーの決意表明を歌っているように聴こえてくる。因みに、#1「LORELEY」はもっと評価されてもいいと思うんだけどなぁ…地味な曲とされているのが悲しい。
ark
ark
1.forbidden lover
2.HEAVEN'S DRIVE
3.Driver's High
4.Cradle
5.DIVE TO BLUE
6.Larva
7.Butterfly's Sleep
8.Perfect Blue
9.真実と幻想と
10.What is love
11.Pieces(ark mix)
99年発表
 『ray』と二枚同時発売で話題になった作品。一般的には全盛期に発表されたラルクの作品である。

  個人的にこのアルバムに収録されているシングルは特に良い。#2「HEAVEN'S DRIVE」を初めて聴いたときはとても衝撃的だった。他のシングル曲(#3#5#11)も知名度が高く人気も高い。しかし全体的に曲調の変化が激しく、なんだか混沌としている。やたら暗い楽曲などは聴き手を選ぶかも。
ray
ray
1.死の灰
2.In the End
3.HONEY
4.Sell My Soul
5.snow drop(ray mix)
6.L'heure
7.花葬
8.浸食-lose control-
9.trick
10.いばらの涙
11.the silver shining
99年発表
 『ark』と同時発売されたアルバム。こちらの方が個人的には好き。当時のラルクらしい、ダークで怪しく、そしてカッコいい部分を存分に味わえる。そして、その象徴といえるのが、同時リリースされた三枚のシングル(HONEY、花葬、浸食-lose control-)。これらの出来が素晴らしいのは言うまでもないだろう。

 ほんとにこの時期の勢いはすごかった。まさにそれを感じさせてくれる一枚である。
REAL
REAL
1.Get Out from the Shell [Asian Version]
2.The Nepenthes
3.Neo Universe
4.Bravery
5.Love Flies
6.Finale
7.Stay Away
8.Route 666
9.Time Slip
10.A Silent Letter
11.All Year Around Falling in Love
00年発表
 L'Arc~en~Cielの8thアルバム。99年に出された二枚の作品で絶頂を極めたバンドは、本作でも帯びた熱を抑えることはなく、それどころかより一層解放させたような力強さを感じ取れる。その熱はもちろん惰性なんかではなく、色彩豊かなバンドのセンスも盛り込まれ、一風変わったバンドの領域を垣間見ることができる。

 個人的な感想としては、今まで手で触れられない場所で妖艶な世界を作っていたラルクが、少しだけ地上に降りてきたような印象を持ち、まさにラルクなりにリアルを意識したような作品なんだと感じた。だからこそ#4「Bravery」#7「Stay Away」のような垢ぬけて元気な楽曲ができたのだと思う。さらにそれとは対照的な、ハードロックを意識した#2「The Nepenthes」や絶望感漂う#6「Finale」などが配置されているように、本作ではふり幅の大きさが目立つ。今までも特色ある作品を器用に作り上げてきた彼らだが、本作はそれ以上だろう。

 非常にダークな@で幕を明け、以降は熱のこもった名曲がどんどん続く展開にはこちらも興奮させられる。ただ、気になるのは終盤の楽曲。特に#10「A Silent Letter」と#11「All Year Around Falling in Love」はとても幻想的な旋律が印象的な曲でアルバムを締めくくるにふさわしいが、最後までちゃんとした印象が残らなかった。因みに購入当時は四曲の先行シングルがあまりに秀逸だったため、そればかり聴いてた記憶がある。もっと言えば#5「Love Flies」はラルクの曲の中でも五本の指に入るほど好きだ。今思えば本作は、先行シングルのインパクトが大きすぎて、アルバム曲が霞んでしまった感じが否めない。ただ前半の二曲はアルバムを象徴する素晴らしい曲なだけに、全部がそうとは言い切れないが。
AWAKE
AWAKE
1: New World
2: LOST HEAVEN
3: 叙情詩
4: TRUST
5: Killing Me
6: AS ONE
7: My Dear
8: EXISTENCE
9: 自由への招待
10: Ophelia
11: 星空
12: twinkle, twinkle
05年発表
  最近出た邦アルバムでは一番聴いているアルバム。ラルクが好きというのもあるが、何よりすべての楽曲がよくできているので飽きずに聴ける。個人的には05年の名盤。

 #10「Ophelia」はジャズっぽくて多少とっつきにくい曲ではあるが、今ではこの曲が一番好き。一曲目にふさわしく、これから新しい世界を見せてくれそうな#1「New World」。スリップノットを意識して作ったというへヴィな#6「AS ONE」。サビで曲の雰囲気がガラリと変わる#8「EXISTENCE」など良曲ぞろい。

 今までの経験や積み重ねて来たモノがこのアルバムに出ているような気がする。ここへ来てこんな作品作れるなんて…素晴らしいとしか言いようが無い。