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トレイシー・ソーン(Vocal)とベン・ワット(Guitar / Keybord)の二人組ユニットで、ネオ・アコースティックの代表的なアーティスト。80年代前半から活動を始め、作品ごとにサウンドを変化させながらも、暖かみのあるラウンジ系の音楽を数多く世に送り出した。

Discography

1984
Eden 1st
1985
Love Not Money 2nd
1986
Baby the Stars Shine Bright 3rd
1988
Idlewild 4th
1990
The Language of Life 5th
1991
Worldwide 6th
1994
Amplified Heart 7th
1996
Walking Wounded 8th
1999
Temperamental 9th
Walking Wounded -哀しみ色の街-
1.Before Today
2.Wrong
3.Single
4.The Heart Remains a Child
5.Walking Wounded
6.Flipside
7.Big Deal
8.Mirrorball
9.Good Cop Bad Cop
10.Wrong (Todd Terry Remix)
11.Walking Wounded (Omni Trio Mix)
96年発表
 トレイシー・ソーンがマッシヴ・アタックとコラボしたことが影響したのか、一気にエレクトロ色が強くなった衝撃の作品。前作がヒット曲「Missing」を含んだ集大成的な内容の作品だったこともあり、まるで本作の変化は、新たなる一歩を踏みしめたかのようである。とはいえ、リラックスして聴ける安心感は相変わらず顕在で、仕事終わりにまったりしながら聴くには最適の音楽だと思う。とりわけ本作の雰囲気は、喩えるならば、都会の喧騒を感じながら薄暗いバーでくつろいている感じ、といったところだろうか。

 エレクトロニック・ミュージックをメインに構築された本作だが、音の質感が冷ややかになったことで、ネオンサインが輝く真夜中の静かな繁華街のイメージを強く感じさせる。二人が並んで写っているジャケットは、その繁華街での一コマなのだろうか。また、その音の質感により、非常にクールな雰囲気を作りだしていてなかなかにカッコいい。個人的に、力強いパーカッションが印象的な#6「Flipside」の冷めっぷりがたまらない。暖かみがあった以前までの作品と比べると、雰囲気の部分でも大きな違いが生まれていることが分かる。

 このように大きな転機となったはずの本作。本来ならEBTGを語る上で欠かせない作品のはずなのだが、あまり話題に上らず、おまけに評価も芳しくない。彼らのイメージから離れてしまっているために、評価が二の次になってしまうことは仕方がないかもしれない。ただ本作は、EBTGの可能性を引き出しただけでなく、使い慣れていないはずのサウンドを手玉に取るかのように操る、ハイクオリティな出来栄え。他の作品と比べるのは難しいが、EBTGの中でもベスト3に入る内容のアルバムと言っても過言ではない。