コラム > 第8回 2010年音楽遍歴

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 2010年は、以前と比べて新作を数多く聴いた一年でした。サイトや雑誌から情報を仕入ることに、いつになく精を出していたため、シーンの動向をリアルタイムで楽しめたように思います。ただ、知れば知るほど購入欲に悩まされ、どの作品に手を出すか迷い続けた一年でもありました。おかげでまだ聴けてない作品がごっそり残っている始末・・・。これは仕方が無いですかね。

ここからは、2010年作で気に入ったアルバムを順不同で紹介していきます。

「Clinging to a Scheme」The Radio Dept.

個人的に2010年の作品で最も印象的だった作品。アコースティックな音使いが素晴らしく、電子音も絡ませて、極めてドリーミーな一枚となっています。朝の日差しを浴びながら二度寝したくなるような、夢うつつな作品です。

「Diamond Eyes」Deftones

2ndを意識したアグレッシブなアルバムだとメンバーは語っていますが、2010年現在のDeftonesを総括するような作品となっています。前作と比べ、攻撃的な作風が復活しており、彼ららしいサウンドが味わえます。

「Drowned in Light」Manual

デンマークのエレクトロ奏者による新作。エレクトロ・シューゲの名作「Azure Vista」を思わせる、光りに包まれるかのようなサウンドが戻ってきており、個人的にドツボでした。

「A Chorus of Storytellers」The Album Leaf

名実ともに高い支持を得ているアルバムリーフの新作。紡ぐ作業に近いほどのサウンドメイクが、優しくて美しいです。オルゴールのような音色も綺麗ですね。草原で風に吹かれながら大河を眺める…正にジャケットのシチュエーションにピッタリの作品のように思いました。オレンジ色の夕焼けが射してきたら、もうバッチリでしょう。彼らの職人的なサウンドを堪能できる一枚。

「Star Tiger Star Ariel」Delays

キラキラとしたサウンドと美しいヴォーカルが幸福感を呼び寄せるDelaysの最新作。「Unsung」をはじめ、キーボードやシンセを含めたバンドアンサンブルが、本作では特に印象的でした。

「European」Sambassadeur

オーケストラのような音の使い方としおらしい女性ヴォーカルが気品を漂わせる、スウェディッシュポップバンドの新作。だだっ広い海洋を漂ったり、草原で寝っ転がったりしているような気分を味わえます。正に北欧のバンドだからこそ成せる技。

「Go」Jonsi

正直あんまり期待していませんでしたが、思った以上に素晴らしい作品でした。どうやらSigur Rosの最新作「残響」に近いサウンドだそうですが、牧歌的な部分は相変わらず。口ずさめるような曲が多いのも好印象でした。

「Beast」Vamps

今までのラルク、HYDEの作品と比べると、パンク・ポップに傾倒していることがよく分かる作品。ギターを掻き鳴らしハイテンションで駆け抜けるAngel Tripは、Vampsの音楽性を象徴しているように思います。ラルクやHYDEソロと比べ、今までにないほど若々しさに満ちているバンドです。







 ・・・そしてもちろん旧作も数多く聴きました。むしろ今までと比べると、凄まじい勢いで音源が増えたため、何を聴こうか常に迷っていました。増えた枚数を計算したところ、2009年が+102枚だったのに対し、2010年は+190枚。毎年順調に数は増えていますが、今回の増え方は自分でも驚きました。せっかくなのでこの場を借り、2010年に聴いた旧作を、メモ替わりに挙げていきたいと思います。文章が稚拙なのはお許しください。

「The Battle of Sealand」Airiel (07年)

マイブームと言っても過言ではないほど2010年に聴いてたアルバム。グランジばりの泥臭い曲から、幻想的なドリームポップまで、幅広くシューゲイズする彼らこそしっかりと評価されて欲しい。

「LOVEBEAT」砂原良徳 (01年)

都会の空気に紛れるかのような美しいサウンドを創り上げた、これぞテクノ!な一枚。電子音の心地良さを再認識させてくれた、まりんの名作。

「Turn on the Bright Lights」Interpol (02年)

The Campfire Headphase
ポストパンクの雄、Interpolの名作。大名曲Obstacle 1の衝撃は忘れられない。どの曲も不穏な空気を作り上げながら、それを払いのけるようなキレの良いバンドサウンド。最初こそ印象薄の作品でしたが、じわじわハマっていきました。

「The Sun is Often Out」Longpigs (96年)

ブリットポップ全盛期にデビューしたイギリスのロックバンド、Longpigsの1stアルバム。力強い演奏と、感情の起伏が激しいクリスピン・ハントのヴォーカルが痛快で、当時のUKバンドと一線を画しているように思います。レディへフォロワーなどと持ち上げられなければ、バンドの命運は変わったのかもしれません。

「Franz Ferdinand」Franz Ferdinand (04年)

ご存知00年代を代表するUKロックバンドのデビュー作を、今更ながら拝聴。名曲Take Me Outを初め、ダンサブルで明るいロックサウンドを詰め込み、聴いたとたん、まんまとテンションをあげられてしまいます。

「D.N.A」Janne Da Arc (00年)

聴き逃していたジャンヌダルクのデビュー作。メンバーの演奏技術が高いのは勿論ですが、楽曲作りのセンスの良さがこれでもか!と言うほど詰め込まれています。傑作と評されるのも納得のいく作品ですね。

「A Hundred Days Off」Underworld (02年)

個人的に初めて聴いたアンダーワールドの作品。同時に最も好きなアルバムでもあります。フワフワと心地良い電子音に身を任せ、ずんずん進むクラブビーツに流されていく感覚は癖になることでしょう。中でもTwo Months Offは名曲。

「Frengers」Mew (03年)

シューゲイザーに括られるほどの高尚なサウンドを創りだす、Mewのデビュー作。ヒンヤリとした質感のサウンド、中性的なヴォーカルなど、北欧のバンドらしいサウンドを展開し、たちまちブレイクすることとなった名作です。

「Elevator」Hot Hot Heat (05年)

カナダ出身のHHHによるヒット作。ダンス・パンクと称されるハイテンションなサウンドが特徴で、本作でも惜しみなく披露しています。日本では知名度が低いですが、アメリカやイギリス、本国カナダでは、様々なメディアで彼らの音楽が使われるほど人気があります。

「666」HYDE (03年)

HYDEのアンダーグラウンドな志向を探る上で外せない一枚。重たいリフでエネルギッシュに演奏される本作は、コアなパンク・メタルファンにも勧められるだろう。中盤がとにかく圧巻。







今回は時間の関係上、適当な作りになってしまい申し訳ありません。ただ、それに反して今まで以上に音楽探しに精を出しております。更新ペースや質もそれに比例すれば完璧なのですが、個人的な理由で難しいのが現状です。そんな現状を少しでも打破するため、昨年末はブログにて突然大量のレビューを行いましたが、これからも続けていく予定です。こんな更新ペースが遅いサイトですが、閉鎖する予定は全くありません。なので暖かく見守っていただければ幸いです。

今年もよろしくお願いします。m(_ _)m