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90年にデビューし、現在もなおUKの第一線で活動を続けるThe Charlatans。バンドは、Stone Rosesが中心として巻き起こったマッドチェスターブームに乗り遅れる形で登場。The Only One I KnowThenなどのヒット曲を送り出し、直後にリリースされた「Some Friendly」は、マッドチェスターを象徴するアルバムとして語られている名作。

その後はメンバーの死や投獄など、幾度となく解散の危機に見舞われたが、95年の「The Charlatans」がUKチャートで一位になり再ブレイクするなど、その存在は現在もUKの音楽シーンの中核を担っている。

Discography

1990
Some Friendly 1st
1992
11th Between 10th and 11th 2nd
1994
Up to Our Hips 3rd
1995
The Charlatans 4th
1997
Tellin' Stories 5th
1999
Us and Us Only 6th
2001
Wonderland 7th
2003
Live It Like You Love It live
2004
Up At the Lake 8th
2006
Simpatico 9th
2008
You Cross My Path 10th
Some Friendly
Some Friendly
1.You're Not Very Well
2.White Shirt
3.Only One I Know
4.Opportunity
5.Then
6.109, Pt. 2
7.Polar Bear
8.Believe You Me
9.Flower
10.Sonic
11.Sproston Green
90年発表
The Charlatansの1stアルバム。だるそうに歌うヴォーカルと暖かいオルガンの音色が印象的な、マッドチェスターを象徴する一枚。しかしサウンドはまさにストーンローゼズそのもので、名曲Bを聴けばそれが一目瞭然。出遅れた形でシーンに登場した彼らは、メディアからも亜流扱いを受けてしまうが、余りあるセンスがそれを許さなかった。

リズミカルな曲調を形成するドラムとベースは言うに及ばず、イアン・ブラウンと声も出で立ちもそっくりなヴォーカルや、ワウペダルを駆使したギターサウンド…。比較しすぎもいけないとは思うが、良くも悪くもどれもがマッドチェスター(ストーンローゼズ)の象徴となるサウンド満載である。そのなかでも特に個性的な存在感を示しているのは、軸となるメロディを奏でるオルガンであろう。同じくサウンドの中核を担うギターとの存在感がほぼ同一で、その掛け合いのようなやり取りが古臭くもあり心地よくもある。全体的に鬱々とした気だるいオーラが漂っているようだが、グルーヴ感のあるリズム隊に無理やり身体を揺らされてしまう自分の妙なテンションは、毎度ながら癖になる。

ギターサウンドが控え目なのには好き嫌いがでそうだが、以降の彼らの作品でここまでオルガンが主張をしている作品は少ないので今思えば貴重であり、時代を考えても記念碑(?)的な作品であると言える。因みに、シャーラタンズと言えばこの作品を挙げる方が多いが、バンドの進化が手に取るようにわかる以降の作品も是非チェックしてもらいたい。